研究概要 |
代表的な内因性気管支拡張物質であるプロスタグランデインE_2(PGE_2)、プロスタグランデインI_2(PGI_2)及び一酸化窒素(NO)の気管及び末梢気道における気道拡張作用と相互作用を検討するために、マウスの摘出気管及び細気管支(至適静止張力下で内径約400μm)をそれそれマグヌス装置及びミオグラフに固定し,等尺性張力変化を測定した。その結果、 1)気管及び細気管支レベルにおける気道拡張作用はPGE_2≫PGI_2>SNAPであった。 2)PGE_2存在下ではSNAPの気道拡張作用は減弱した。 次に、喘息等気道の炎症時に産生される気道収縮性プロスタノイドであるトロンボキサンA2による気管及び細気管支収縮時に気道拡張性プロスタグランデイン(PGE_2、PGI_2)が関与していることを明らかにした。この気道拡張性プロスタグランデインによる気道保護作用はシクロオキシゲナーゼ(COX)阻害薬で完全に抑制されるが、NO成酵素阻害薬で影響を受けなかったことから、NOは関与していないものと考えられる。 今後、この気道拡張性プロスタグランデインによる気道保護作用の詳細なメカニズムを検討していく予定である。
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