研究課題/領域番号 |
11770869
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
麻酔・蘇生学
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
松田 知之 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (30281265)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2000年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1999年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 脳虚血 / 免疫応答 / アポトーシス / 脳蘇生 / 反復虚血 / 神経膠細胞 / 低体温 / プロスタグランジン / 反復脳虚血 |
研究概要 |
一過性の軽度の脳虚血において、部位特異的な遅発性神経細胞死が見られることは周知の事実であるが、一過性の軽度の脳虚血を反復することでいわゆる遅発性細胞死が広範囲にわたってみとめられることを見いだした。具体的にはgerbilにおいて5分間の脳虚血状態を3時間間隔にて4回反復した後には、大脳皮質、視床、線条体、海馬と広範囲にわたり神経細胞死をみとめ、かつ海馬顆粒細胞、大脳皮質、視床、線条体においては神経細胞死が典型的なアポトーシス形態を示すことを超微形態から見いだした。しかしながら、海馬錐体細胞層においては典型的なアポトーシス形態は示さず、免疫応答としての神経膠細胞の浸潤を著明にみとめたが、それを誘導する伝達物質は今回明らかにすることができなかった。また、視床下部、脳幹においては生命維持に重要な機能をつかさどると考えられる神経細胞が低酸素に対して、著しい抵抗性をしめすことがわかったが、これには神経細胞自体の抵抗性ならびに周囲細胞からの環境要因としての免疫応答の違いが関与しているのではないかと考えられる。一方、脳細胞は低酸素状態によりすべての細胞が同じように障害されるわけでなくしかも細胞群により障害が認められる時期が異なるとされてきたが、短時間の反復虚血による神経細胞死が遅発性のアポトーシスの機序に関連しておこりうること考えられることから脳蘇生を行いうる可能性がある。虚血後脳蘇生の目的にて低体温による脳保護効果につき検討したところ、反復虚血後においても脳保護効果が示唆され、免疫応答細胞の浸潤をみとめない所見をつかんだ。また、脳虚血後の発熱と免疫応答ならびに神経細胞死の関係を明らかにすべくプロスタグランジン受容体の特異的拮抗薬を用い前処置したモデルにおいて脳虚血を作成し、どの様な免疫系細胞応答がみとめられ、脳虚血後の発熱の抑制が脳保護に関与するのかにつき現在継続して検討している。
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