研究概要 |
1.前立腺癌の発生・進展に関与する遺伝子のうち,アンドロゲン受容体・KAI1・CD44遺伝子のそれぞれの上流に存在するCpG islandにおけるDNAメチル化の状態と各遺伝子の発現について,ヒト前立腺癌細胞株や前立腺癌組織を用いてmethylation-specific PCR・RT-PCR・Northern blot法などを用いて検討した.ヒト前立腺癌の4つの細胞株においてアンドロゲン受容体遺伝子のDNAメチル化の状態について,methylation-specific PCRと5-Azacytidine処理後のRT-PCRにより,一部の細胞株や前立腺癌組織でアンドロゲン受容体遺伝子のDNAメチル化が起きており,それが発現に関与することがわかった.特にホルモン抵抗性となった前立腺癌組織中では30%の例でDNAメチル化が起きており,ホルモン依存性喪失の一つの機構を明らかにした(Lab.Invest.80:1789-1796,2000).(2)ヒト前立腺癌組織におけるCD44遺伝子のDNAメチル化の状態について,methylation-specificPCRを用いて検索した.CD44遺伝子のDNAメチル化は病期の進行とともに増加し,特に転移との相関をみた.(3)ヒト前立腺癌の4つの細胞株においてKAI1遺伝子のDNAメチル化の状態について,methylation-specific PCRと5-Azacytidine処理後のRT-PCRにより,一部の細胞株でアンドロゲン受容体遺伝子のDNAメチル化が起きており,それが発現に関与することがわかった. 2.癌抑制遺伝子p53のhomologueであるp51の構造・発現異常について解析して報告した(Prostate,inpress)
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