(目的)成体体細胞核を移植した卵の発生・発育の効率化を図るために、まずマウスを用いてクローンマウスの作出を試みた。 (方法)8週齢のB6D2F1雌マウスを過排卵処理し、hCG投与後、cumulus-oocyte complexesを得、0.1%ヒアルロニダーゼにて処理し、第二減数分裂中期の卵と顆粒膜細胞を得た。得られた卵を5μg/mlのcytochalasin Bを添加した培養液に暴露させ、PIEZOパルスを用いて、脱核した。脱核後1時間から2時間以内に、PIEZOパルスにて細胞膜を損傷させた顆粒膜細胞を脱核卵に顕微注入した。顕微注入後、1時間以内に5μg/mlのcytochalasin B及び10mMのSr^<2+>添加の培養液にて6時間培養し、この核移植卵を活性化させた。CZB培養液に卵を移し、24時間培養し、得られた2細胞期胚を、CD1雌マウスの卵管に移植した。 (結果)1000個の成熟卵を脱核し、800個の成体体細胞核を移植した。500個の2細胞期胚を得、これを移植したが、得られた産仔は1匹であった。産仔獲得率は0.2%であった。
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