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卵子への顕微操作が紡錘糸構造及び胚発育遅延・停止に及ぼす影響

研究課題

研究課題/領域番号 11770956
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 産婦人科学
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

土屋 慎一  慶應大, 医学部, 助手 (70276327)

研究期間 (年度) 1999 – 2000
研究課題ステータス 完了 (2000年度)
配分額 *注記
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2000年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1999年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
キーワードミトコンドリア / 着床前遺伝子診断(PGD) / 細胞質内精子注入法(ICSI) / 紡錘糸
研究概要

体外受精(IVF)・着床前遺伝子診断(PGD)の安全性が提唱されているが、その科学的根拠は明白でない。卵細胞質内精子注入法(ICSI)は透明帯・細胞膜を破り精子を直接卵細胞内に注入する為、細胞内構造を破壊する危険性を持つ。そこで平成11年度は、顕微操作が胚の紡錘糸と細胞内小器官等にどのような影響を与えるかについて検討、また、極体・割球生検が胚に及ぼす影響についても形態学的側面から観察・分析することを目的とした。
(1)共焦点レーザー顕微鏡(CLMS)による細胞内部構造変化の観察
ICRマウス卵の紡錘糸を抗チュブリン抗体、抗マウス抗体FITC、また染色体をPropidium Iodideにて染色し、ICSI操作群と末施行群に分け、各々につき紡錘糸形態異常・胚発育停止率・染色体配列異常の出現をCLMSを用いて観察した。紡錘糸と第一極体との位置関係は、第一極体を0度(12時)とした場合、マウス卵では80%が30度以内に第2減数分裂紡錘糸が存在した。よって、通常のICSIの顕微操作を12時群、第一極体に向かって注入する9時群、顕微操作を施行しないコントロール群に分けて検討した結果、紡錘糸または染色体に異常を認めた割合は12時群では18%、コントロール群で15%であったのに対し、9時群では60%と有意に高率であった。また、極体・割球生検施行後の残存卵に対してCLMSを用いて観察したが、紡錘糸・染色体に異常を認めなかった。
(2)透過型電子顕微鏡(TEM)による細胞内部構造変化の観察
ICSI施行前後の構造の差異をTEMにより観察した。ICRマウス成熟卵ではICSI施行後には表層粒の消失が見られ、受精現象が惹起されたことが示唆され、また一部vacuoleの増加を認めたが、細胞内小器官の構造変化は認めず、ミトコンドリア分布にも異常を認めなかった。同様に、極体・割球生検群も構造上の変化は認めなかった。
第一極体を12時あるいは6時の位置に固定することは、第2減数分裂紡錘糸の損傷を避ける意味で重要であると考えられた。また、ICSI操作及び極体・割球生検は細胞内小器官には影響を及ぼさないと思われる。

報告書

(1件)
  • 1999 実績報告書

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公開日: 1999-04-01   更新日: 2016-04-21  

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