研究課題/領域番号 |
11770960
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
関沢 明彦 昭和大, 医学部, 助手 (10245839)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2000年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1999年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 母体血 / 有核赤血球 / アポトーシス / 出産前診断 |
研究概要 |
アポトーシスは胎盤の免疫学的な寛容に重要な役割を果たしている。今回、我々は母体血循環中に移行した胎児由来の有核赤血球の排除がどのような機構によって行われるかを明らかにするためアポトーシスに注目し検討した。 母体血からの胎児由来の有核赤血球の回収は比重遠沈法で単核球を分離後、胎児へモグロビン染色してその陽性細胞をフローサイトメーターで回収、細胞形態と胎児へモグロビン染色で有核赤血球を識別、さらにFlSH法でX,Y染色体数を確認し、Y-signal陽性の細胞を胎児由来と同定し、その症例のサンプルを対象にTUNEL(transferase-mediated DNA end labeling)法で有核赤血球のDAN断片化を検討した。 結果は10例の妊婦末梢血から回収した胎児由来有核赤血球(Y-signal陽性)合計246個中106個の細胞がTUNEL陽性であった。一方、同一標本内の母体白血球では3.5%(29/818)か陽性を示すのみであった。 以上より、母体血中胎児細胞はアポトーシスを起こして自ら消滅していくことが確認できた。このことは母体循環中に移行した胎児細胞が母体に炎症性の変化を惹起することなく除去されることであり、妊娠維持においてもこの胎児細胞のアポトーシスが重要な役割を果たしていることを示している。今後、母体血中胎児細胞の回収にアポトーシスのマーカーが使用可能かどうかについても検討したい。
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