研究課題/領域番号 |
11770998
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
河北 誠二 愛媛大, 医学部, 講師 (60304606)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2000年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1999年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 内喉頭筋 / 上喉頭神経 / 運動神経支配 / 甲状披裂筋 / 喉頭麻痺 |
研究概要 |
上喉頭神経と下喉頭神経はガレン枝による線維連絡以外に披裂部を中心に交通枝の存在が示されているが、その機能的役割については明らかにされていない。一方、両側下喉頭神経麻痺例において発声、嚥下時に声帯運動を認める場合があり、これまでの解剖事実のみでは説明できない運動神経支配様式の存在が示唆される。そこで上喉頭神経の内喉頭筋への運動支配が特定の筋に見られるのか、またその運動支配が区域性を有するか否か検討し、その機能的役割を解明することを目的に研究を行った。 実験動物には成犬3頭を使用した。左下喉頭神経を切断後、7日目に、左上喉頭神経を電気刺激し、甲状披裂筋での筋放電を観察した。この際、電極の刺入部を甲状披裂筋内側、外側、前方、後方と区分し、甲状披裂筋の運動支配に区域性があるか否かを検討した。電気刺激終了後、甲状披裂筋を剖出し、筋束をその線維走行に沿って内側、中央部、外側と分割し、急速凍結固定を行った。筋束の縦断切片を作成し、神経筋接合部にはコリンエステラーゼ染色を神経終末には渡銀染色を施す、二重染色法を用いて、上喉頭神経由来の神経線維の存在の有無を光学顕微鏡下に観察した。甲状披裂筋外側前方部で上喉頭神経刺激による筋放電が観察された。一方、組織学的には大部分の神経筋接合部では神経終末は消失していたが、外側部の筋束中において、神経終末の残存が確認できた。従って、甲状披裂筋外側部には上喉頭神経支配を受ける筋線維が存在すると考えられる。これまで上喉頭神経外枝が甲状披裂筋あるいは下喉頭神経と線維連絡を有するとする報告はあるが、その機能的意義は不明であった。下喉頭神経脱神経後の神経筋接合部に神経終末が残存したことは上喉頭神経外枝からの運動線維が部分的に甲状披裂筋を支配していることを示す。
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