研究課題/領域番号 |
11771020
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
余田 敬子 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (70240364)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2000年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1999年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 扁桃炎 / 口腔咽頭炎 / PCR / in situ hybridization / EBV / HSV / HHV-6 / HHV-7 |
研究概要 |
1990年11月から2000年12月までの間、ウイルス性急性扁桃炎または急性咽喉頭炎を疑った患者と、唾液腺疾患で手術を受けた症例52症例を対象にウイルス学的検索を行った。 凍結保存およびホルマリン固定した検体組織と末梢血単核球からDNAを抽出し、PCR法にてEBウイルス(EBV)・ヒトヘルペスウイルス6および7(HHV-6,7)の検索を行った。ホルマリン固定標本からは病理組織学的変化を観察し、免疫組織化学にて単純ヘルペスウイルス(HSV)および水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)抗原の検出を試みた。またEBV感染症の疑われた症例にはin situ hybridizationを行い炎症局所からのEBV検出を試みた。 対象52症例中HSVを5症例、EBVを12症例、HHV-6を5症例から検出した。今回の検討でHHV-7およびVZVを検出した症例と、2種類以上のウイルスを検出した症例はなかった。HSV感染例は初診時扁桃炎と同時に口唇疱疹、歯肉炎または口腔粘膜のアフタ形成を全例に認め、うち2例は性感染症による急性扁桃炎であった。EBVおよびHHV-6が検出された症例は高度な頚部リンパ節腫を伴う急性扁桃炎例、扁桃炎を伴わない難治性口腔咽頭炎例など臨床所見は多彩であった。血清学的にEBV抗体価の有意な上昇を伴わないEBV検出症例を認め、従来知られているEBV初感染症である伝染性単核球症以外のEBVが関与している口腔咽頭扁桃であることが示唆され、論文として研究発表した。また、急性扁桃症例からHHV-6核酸が検出されたことから、HHV-6が関与する口腔咽頭の急性炎症性疾患の存在が示唆された。今回の検討症例中、唾液腺病変からいずれのウイルスも検出されなかった。今後さらに症例を増やし、新たな検出法を模索することが必要と考えられた。
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