研究課題/領域番号 |
11771038
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
眼科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
天野 史郎 東京大学, 医学部・附属病院, 講師 (80193027)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2000年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1999年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 糖尿病角膜症 / グリケーション後期反応生成物 / グリケーション |
研究概要 |
蛋白のアミノ基はグルコースなどの還元糖のアルデヒド基と反応し、シッフ塩基やアマドリ転位反応生成物を形成する前期反応を経て、褐色・蛍光・架橋形成を特徴とするadvanced glycation end products(AGE)を形成する。生体内蛋白におけるAGE形成は加齢とともに進行するが、糖尿病患者では高血糖に伴いその進行が加速されている。今回、我々は糖尿病角膜症の発症メカニズムにおけるAGEの役割を検討した。まずin vitroの実験として、培養皿をコーティングする各種細胞外基質にAGEを形成させ、角膜上皮細胞をその上に撒き、3時間後の接着細胞数、細胞質面積を測定した。その結果、1型・4型コラーゲンのAGE化は細胞の動態を変化させなかったが、角膜上皮基底膜の主要構成成分であるラミニンがAGE化されるとラミニン上での細胞の接着や伸展が高度に阻害された。AGE形成阻害作用のあるアミノグアニジンをラミニンへのAGE形成時の培地に加えると、濃度依存性にAGEの形成が阻害され、上皮細胞の接着・伸展も回復した。次に実際にヒト角膜でのAGEの形成の有無・局在を検討した。剖検例から得られた角膜におけるAGEの局在を、AGE構造体の一つであるN^ε-carboxymethyl lysine(CML)に対するモノクローナル抗体を用いた免疫組織化学で検討した。糖尿病患者では検討した8眼すべてにおいて、上皮細胞基底膜の部分にCMLの形成が線状に強く認められたが、非糖尿病者では8眼のうち1眼を除いて同部にCMLの形成を認めなかった。また、糖尿病例、非糖尿病例ともに角膜内皮細胞にCMLの形成を認めた。以上の結果より、上皮細胞基底膜部、特にラミニンにおけるAGE形成が角膜上皮細胞の基底膜への接着を抑制する事が、糖尿病患者における角膜上皮障害発生のメカニズムの一つとして働いていることが示唆された。
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