研究課題/領域番号 |
11771050
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
眼科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
大鳥 安正 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (40303953)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2000年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1999年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 綱膜神経節細胞 / アポトーシス / グルタミン酸神経細胞死 / 緑内障 / 網膜神経節細胞 |
研究概要 |
チモロールは、交感神経β遮断作用をもつ眼圧下降薬として約30年前より緑内障患者に使用されている。どのような病型の緑内障でも眼圧下降効果が得られる有効な薬剤である。近年、一部の抗緑内障薬に眼圧下降作用のみならず神経保護効果が認められることが報告されている。そこで、今回チモロールに眼圧下降作用以外に神経保護効果があるかどうかを検討するためラット網膜培養細胞系および虚血再灌流モデルを用いて検討した。 方法は、1)Wistar系胎児ラットから単離した網膜神経細胞を1mMグルタミン酸(10分間)または血清除去(24時間)により細胞死を誘発させ、生存率をトリパンブルー色素除去法で算出した。2)Wistar系ラット(生後6〜8日齢)から単離した網膜神経節細胞を25μMグルタミン酸含有無血清培地中で72時間培養することにより細胞死を誘発させ、生存細胞数をcalcein染色により算出した。3)ハロセン麻酔下でSprague-Dawley系雄性ラットの眼球に130mmHgの水圧負荷により網膜虚血状態を惹起し、45分後に再潅流した。再潅流後3日目に暗順応下におけるElectroretinogram(ERG)測定および網膜の組織学的解析を行った。0.5%チモロールは虚血3日前から3日後まで1日4回点眼した。 チモロールは、網膜神経細胞(主にアマクリン細胞)および網膜神経節細胞を用いた培養系でグルタミン酸または血清除去により誘発される神経細胞死に対して、それぞれ10^<-7>M以上の濃度で細胞死抑制効果を示した。また、0.5%チモロール点眼はラット網膜虚血再潅流モデルでERGのa波及びb波の振幅減少および網膜神経節細胞数の減少を有意に抑制した。 以上より、チモロールは、ラット網膜において神経保護効果を示すことが明らかとなった。
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