研究課題/領域番号 |
11771054
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
眼科学
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
小阪 淳 岡山大学, 医学部, 助教授 (40243216)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2000年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1999年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | in situ hybridization / 網神経節細胞 / 転写因子 / ラット / 視神経 / 網膜神経節細胞 / 軸索再生 / 2重染色 / homeodomain / 逆行性変性 |
研究概要 |
網膜神経節細胞の転写レベルにおける多様性を明らかにするため、in situ hybridization法を用いて転写産物の有無を、細胞レベルで検証した。 ラット網膜切片において転写因子Brn-3のmRNAは、神経節細胞層に存在したが、すべての細胞ではなく約40%の細胞にシグナルが見られた。シグナル陽性細胞の細胞体直径を調べると、シグナルは、概ね細胞体直径の平均が13μm以上のものに認められた。小阪が設定したクライテリアによると、ラットではこれらの細胞は網膜神経節細胞と断定してよい。しかし、シグナル陰性細胞にも細胞体直径が13μm以上のものが多数存在したので、Brn-3転写因子は、ラット網膜神経節細胞の一部にのみ発現していることが判明した。Brn-3転写因子は、網膜神経節細胞の遺伝子発現に多様性を持たせていることが推測された。また視神経切断の時間経過をおいて発現を追跡すると、逆行性変性による細胞数減少にともなってBrn-3転写因子の発現細胞数は減少した。Brn-3の発現と、細胞死の関係は未だ明確ではない(現在投稿準備中)。 ひきつづいて、Try(W)-Asp(D)の繰り返し配列をもつ新しい細胞内シグナル伝達分子WDC-146について、ラット網膜における局在を調べた。WDC-146は、内顆粒層と神経節細胞層にシグナルが見られた。神経節細胞層のシグナルに着目するとやはり細胞体直径が13μm以上の細胞にシグナルが見られたので、WDC-146が、少なくとも一部の網膜神経節細胞に発現しているのは、間違いがない。今後、網膜の発生過程、および視神経切断による細胞死過程、末梢神経移植による軸索再生過程における発現パターンを詳細に検討し、網膜神経節細胞の細胞内情報伝達機構と、核内情報伝達機構の多様性を明らかにし、視神経再生機構の解明につなげたい。
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