研究課題/領域番号 |
11771089
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
小児外科学
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
松永 正訓 千葉大学, 医学部・附属病院, 講師 (80302561)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2000年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1999年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 神経芽腫 / N-myc / NGF / trk A / アデノウイルス |
研究概要 |
N-myc蛋白は、胎生期の神経芽細胞に強く発現し、その細胞分裂を促進し分化を抑制していると理解されている。神経芽腫におけるN-mycの機能の解明は、高悪性度の神経芽腫の本態を明らかにすることになり、治療戦略の根本的な再構築に結びつくことになる。本研究では、N-myc発現アデノウイルスを神経芽腫培養細胞に感染させ、N-mycが神経芽腫の増殖、分化、細胞死に働く機構を解析する。本年度は、昨年度に作成した組み換えN-myc発現アデノウイルスAXCACHN-mycを用い、神経芽腫の分化に深く関わるNGF(神経成長因子)のシグナルとN-mycとの関与を検討した。NGFの受容体であるtrk Aの発現に対するN-myc発現の影響について、β2-Microgrobulineをインターナルマーカーとした定量的RT-PCRにて検討した。神経芽腫細胞株RT-BM-1をレチノイン酸で処理することによりtrk Aの発現が速やかに上昇するが、N-mycを導入したRT-BM-1においては、レチノイン酸によりtrk Aの発現は上昇するが、その発現量はコントロールに比べて低い事が明らかになった。このことから、N-mycはtrk Aの発現を抑制している可能性が示唆された。さらに、N-mycが神経芽腫の分化に及ぼす影響を知るため、レチノイン酸を用いてRT-BM-1を分化させる系で実験を行った。この分化誘導の際、N-mycの発現が著明に抑制されるがことが知られている。そこで、AxCACHN-mycを用いてN-mycを導入し、N-myc発現が抑制されない状態を作り、レチノイン酸による分化が抑制されるか否かを検討した。しかし、この結果、N-mycを導入した細胞でもレチノイン酸によりに分化が誘導され、レチノイン酸の系では、分化におけるN-mycの役割がNGFシグナルとは異なっていることが示唆された。
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