研究課題/領域番号 |
11771107
|
研究種目 |
奨励研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
形態系基礎歯科学
|
研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
坂本 啓 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (00302886)
|
研究期間 (年度) |
1999 – 2000
|
研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
|
配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1999年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
|
キーワード | Notch / Delta / Serrate / 神経発生 / トリ / in ovo electroporation / 初期発生 / 神経管 |
研究概要 |
一回膜貫通型受容体Notch(N)はその膜貫通型リガンドDelta(Dl)、Serrate(Ser)と結合し、隣接する細胞間でシグナルの授受を行うとされるが、この点を検証するために免疫沈降法により、それらの結合能を調べた。その結果、おのおのがオリゴマー形成することが分かった。また、N/DlあるいはN/Serのヘテロマーは、隣接する細胞同士のみならず、同一細胞上で結合することを明らかにした。この同一細胞上での結合蛋白は細胞膜表面には検出されないことから、小胞体やゴルジ体等の細胞内器官で結合する可能性が示唆された。N受容体とともにDlあるいはSerが共発現した場合に、Nシグナル系の標的遺伝子のひとつであるHES-5のプロモーター活性が抑制されることから、この結合がN受容体の感度を下げ、Nシグナル系を負に制御する働きがあることが分かった。また、Dlの細胞内ドメインを削除した変異体はこのNシグナルの抑制作用を強く持つことが分かった。トリ神経管への遺伝子強制発現実験から、これらのDl、Serの変異遺伝子は内在性のSer発現を同じように増強し、しかもこの効果はNの活性型変異遺伝子を導入することで打ち消された。これらの結果から、Nシグナルへの同一細胞上における抑制作用はDlとSerで基本的に差がないこと、この効果がN受容体の受容性を減弱することによって起こることが明らかになった。Dl、Serは神経管で互いに相補的な発現パターンを示しているが、そこにはFringe(Fg)の調節が関与している可能性が高い。われわれはFgがN/Dlの結合を阻害することを見出した。以上の結果から、NとDl、Serは隣接する細胞間でシグナルを送るのみでなく、同一細胞上での受容体-リガンドの結合によってシグナル伝達を負に制御する機構があり、さらにFgによってその結合が調節されていることが明らかになった。
|