研究課題/領域番号 |
11771108
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
形態系基礎歯科学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
鳥居 秀平 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (10302887)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1999年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | ピエゾ効果 / 骨 / コラーゲン / 電流 / 機能圧 / 骨形成 / 骨形態 / 定電流 / 圧電効果 / ピエゾ電流 / 透過型電子顕微鏡 |
研究概要 |
Friedenbergや戸川らの報告にある低電流回路は生体における抵抗が一定でないためdual FETを利用している。(株)日本計測と協力をしながら低電流装置の開発にあたったが、技術的な問題のため断念せざるを得なかった。その後(株)エム・イー・システムのオステオグローをエンジニアとともに電流値を可変型に改良することにより、交流型の定電流装置として本実験に対応できることができた。また、この装置から発生する微弱電流を(株)日置電機のデジタルハイテスターにて感知し持続的に管理可能にもすることができた。ラットを麻酔科において両側の大腿骨周囲の結合組織の筋、骨膜を剥離し骨面を露出し、歯科矯正用のリガチャーワイヤーを電極として骨面に接触させた。術部を縫合後、ボールマンゲージに固定し、微弱電流50μAを通電させ、1日、3日、5日、7日、14日間それぞれ通電させ、各々において6匹(4匹は電子顕微鏡用、2匹は光学顕微鏡用)おこなった。ラットの飼育上の管理の問題のため一匹づつのケージへの固定実験となった。パラフォルムアルデハイド、グルタール(電子顕微鏡用)にて環流固定し、また中性緩衝ホルマリン(光学顕微鏡用)にて浸析固定した。電子顕微鏡用の試料は未脱灰、脱灰用(EDTAによる脱灰)に分け、さらに免疫組織染色ようには、低温重合樹脂を使用して包埋をおこなった。また研磨標本用の試料も作成した。術式内での骨膜の刺激というものが、骨新生を促している可能性があり、またワイヤーの插入のみによる生体の反応も調べるひつようがあり、コントロール実験として骨膜刺激、ワイヤー插入実験を行った。それそれ5匹づつ、1日、3日、5日、7日、14日の実験を行った。 これらの実験系を本年度においてさらに確立することができた。光学顕微鏡の観察では各期間の通電で電極の周囲に結合組織が増生し炎症性細胞の浸潤が主であったものもあり、一つの個体でも様々なパターンが存在することが分かった。また骨自体の形状が変化したり、吸収したりしている部位もあり一つの試料を3次元的に観察する必要があり、連続切片を各々において作成することができた。現在透過型電子顕微鏡や研磨標本の観察において基質繊維の状態を観察中であるが、さらに詳しい検討が必要である。また、コラーゲンタイプ1,2,3の免疫組織染色、アルカリフォスファターゼ活性の検索を行っているが、電子顕微鏡像との比較検討する必要がある。今後、正常な骨の活発な形成状況との比較を行うことにより、機能に対する骨の対応適応の重要性が更に証明されるものと考える。
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