研究概要 |
Northern blot解析により、all trans-retinoic acid(tRA)は、口腔癌細胞HSC-3のPTHrP mRNA発現を用量依存的に抑制することが明らかとなった。さらに、HSC-3細胞から培地へのPThrP分泌もtRAにより用量依存的に抑制された。また、HSC-3細胞をtRA(10^<-7>M)で24h処理し、DRBを添加した後のPTHrP mRNA発現量の経時変化を調べたところ、コントロール群と比較して有意な差異はみられなかった。これより、tRAはPTHrP mRNAの安定性には影響を与えないことが判った。 次に、ヒトPTHrP遺伝子の下流側プロモーター(P2/P3)の領域を含む1368bpの遺伝子フラグメント(P3の転写開始点を+1として-1353〜+15bp)をルシフェラーゼベクター(PGV-B2)の上流に組み込んだレポータープラスミドを作成し、リポフェクション法によりHSC-3細胞にトランスフェクションした。ルシフェラーゼアッセイの結果、1,25-dihydroxyvitamin D_3(1,25(OH)_2D_3)(10^<-8>M)を48h作用させた細胞では転写活性の有意な低下が認められた。また、プロモーターの上流側の領域を欠失させた3種類のdeletion construct(-937〜+15,-773〜+15,-476〜+15)を作成した。現在、これらのconstructを用いて、1,25(OH)_2D_3による負の応答領域の検索を行っている。
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