研究概要 |
本研究は、2年計画の2年目として研究を行った。1年目に引き続き。シェーグレン症候群の発症および進行機構に連鎖するMHC感受性遺伝子をより詳細に解析するために、1型糖尿病と共にシェーグレン症候群を自然発症するNODマウスにB10.A(R209)やB10.D2マウスを交配し、NODマウスのMHC classIK,MHC classII,MHC classIII,MHC classIDがB10.A(R209)やB10.D2マウスの同遺伝子と組み換えを起こしたリコンビナントNODマウスを作製する事を試みた。NODマウスとB10A(R209)マウスとの交配から得たBC(バッククロス)7マウスからの解析では、MHC classIKの領域はシェーグレン症候群の発症進行にあまり影響を及ぼさないことが明かとなった。そこで、MHC classIKが同じdタイプであるB10.D2マウスとNODマウスを交配させ、MHC classIKのタイプが同じで他のMHCが異なるBC3マウスを作製した。このBC3マウスはバックグランド遺伝子がよりNODに近いことを、MITマイクロサテライトマーカーを用いたPCR法により確認を行った。このBC3マウスはNODマウスに比べ唾液分泌量の減少が認められなく、S.mutansを口腔に感染させるとNODマウスよりもその定着の低下が認められた。この結果は、唾液による洗浄効果が作用したためと考えられる。よって、MHC classIK領域以外のMHC classII,MHC classIII,MHC classIDにシェーグレン症候群発症感受性遺伝子が含まれている可能性が示唆された。
|