研究概要 |
本研究における共焦点レーザー走査顕微鏡(CLSM)を用いた歯質接合界面観察は、接着材料として3M社製Single Bondを用いた試料を作製し、波長568nmのAr/Krレーザーを励起光として用いることにより観察可能であることが確認できている。さらに、接着材中に蛍光色素であるRhodamine Bをトレーサーとして混入させ、波長568nmの同レーザーを励起光として用いる観察法を検討した。従来より、樹脂含浸層の量的検討において多くの研究者がSEMを使用してきたが、本研究においては同一の試料をCLSMとSEMの両方で比較観察することによりその精度確認をも併せて行い、CLSMの樹脂含浸層の量的検討への活用の正当性が確認できた。 これらの成果はJournal of Dental Research,77-Special Issue,79-Special Issueおよび日本歯科大学1999年度歯学会大会にて既に報告を行い、接着歯学19巻に投稿予定である。 また、蛍光色素を混入させた場合の歯質接着性能への影響の有無の確認を行い、0.004wt%という程度の混入濃度においては、特に対象牙質接着強さに関して15.7/14.8MPaという値が得られ、未混入の場合と比較して統計学的有意差がなく、ほとんど影響がないことが判明した。 一方、in vitroのみならずin vivoにおける同手法の検討を行い、in vivo試料の歯質接合界面をCLSMを用いて観察した。その結果、う蝕のない健全象牙質ではin vitro /vivo試料による差がないことを発見し、さらに1切片上での像のみならず3次元画像も得ることができた。これらの成果に関しては、Journal of Adhesive Dentistry,vol3に投稿予定である。
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