研究課題/領域番号 |
11771289
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科系歯学
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研究機関 | 奥羽大学 |
研究代表者 |
高田 訓 奥羽大学, 歯学部, 講師 (40254875)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2000年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1999年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 神経移植 / 筋萎縮 / 組織化学 / 神経筋接合部 |
研究概要 |
研究目的:顎顔面の変形症に対して施行される骨延長術や顎矯正手術などの手術侵襲により、周囲の表情筋や骨格筋にどのような変化が生じるかを検索することを目的とし、間接的な侵襲による筋線維の萎縮、結合織や脂肪組織への置換、再生を組織化学的に検索した。 実験方法:実験動物にはウサギ(日本白色種)を用い、表情筋と顔面神経を損傷しないよう下顎骨を露出させ骨延長期を装着し下顎骨を急速に延長させた。これにより下顎骨と平行に走行する頬骨耳筋には間接的な侵襲が加わる。この頬骨耳筋の筋線維の経過ならびに反対側の表情筋についても組織化学的に検索した。 検索方法:検索期間は術後1日から12週とし、実験側ならびに対照側の頬骨耳筋を摘出し、H-E染色、SDH染色およびATPase染色により筋線維を検索した。 実験結果:間接的手術侵襲によって術後1日目の頬骨耳筋には炎症性細胞浸潤および筋束中央部分に筋線維の萎縮傾向が認められた。筋線維の萎縮は術後1週間目で最も多く認められたが、術後2週目では再分化したと考えられるtype2C線維が豊富にみとめられた。術後4週目で対照と同様の所見が得られた。 考察および展望:最も筋線維の萎縮が進行する病変は筋線維に直接外力が加わり、同時に神経支配が失われた場合である。しかし、支配神経に侵襲が加わっていなければ回復は早急に起こる。何らかの原因で運動機能が失われた場合、その支配神経に侵襲が及んでいないか可及的早期に診断し、筋線維より支配神経の治療を先に考える必要がある。今後、萎縮した筋線維の構成蛋白を検索し、萎縮中の筋線維の蛋白変性と分化経過中の筋線維蛋白の分析を行い、これら構成蛋白と支配神経の関係、さらに神経再生を促す因子を検索する必要がある。
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