研究課題/領域番号 |
11771319
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
矯正・小児・社会系歯学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
島津 篤 広島大学, 歯学部, 助手 (10274094)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2000年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1999年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 歯根膜細胞 / 塩基性線維芽細胞成長因子 / matrix metalloproteinase-3 / 歯根膜由来線維芽細胞 / ヘパラン硫酸プロテオグリカン / シンデカン |
研究概要 |
歯周組織の治癒過程において、歯根膜(PDL)由来細胞は増殖、分化し組織の修復に重要な役割りを果たしている。塩基性線維芽細胞成長因子(bFGF)は種々の細胞に対して増殖を促進し、歯周組織においても増殖と分化を制御していることが示されている。以前、PDL細胞はFGFレセプター(I型)並びにシンデカン-2、-4を高レベルに発現していることを報告し、さらにPDL細胞の増殖と分化に関連して、これらの発現レベルが変動し、かつこれらの因子は歯周組織の再生におけるFGFの作用を制御する因子として重要な役割りを果たしていることを明らかにした。 そこで今回、細胞外基質の代謝に関与しているmatrix metalloproteinase-3(MMP-3)の誘導に関する影響を検討し、以下の結果を得た。 1.PDL細胞におけるbFGFのMMP-3の誘導をRT-PCR法にて検討したところ、bFGF無処置群ではMMP-3の発現は認められなかったが、0.01-10ng/mlのbFGF処置群はMMP-3の発現を濃度依存的に促進した。また、これらのPCR産物の塩基配列はヒトMMP-3の塩基配列と一致した。 2.bFGFによるMMP-3発現は、処置後12時後より検出され、24時間後で最高に達し、72時間後においてもmRNAを検出することができた。 3.MMP-3を誘導することが既に報告されているIL-1βとbFGFのMMP-3誘導能を比較したところ、ほぼ同程度の誘導能であった。さらにbFGFとIL-1βのシンデカン-2、-4の発現に対する影響を検討したところ、IL-1βはシンデカン-2、-4の発現を抑制したが、bFGFはほとんど抑制しなかった。 以上の結果から、bFGFはPDL細胞においてMMP-3を誘導する因子であることが明らかとなった。また今回MMP-3の誘導が観察されたbFGFの濃度は、PDL細胞の増殖を促進する濃度に一致し、bFGFによる増殖促進作用のMMP-3の誘導との関連が推測される。
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