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歯根形成期における成長因子の遺伝子発現と局在

研究課題

研究課題/領域番号 11771366
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 歯周治療系歯学
研究機関日本大学

研究代表者

佐藤 慶伴  日本大学, 歯学部, 助手 (70267095)

研究期間 (年度) 1999 – 2000
研究課題ステータス 完了 (2000年度)
配分額 *注記
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1999年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
キーワード歯根形成 / BMP / 歯周組織 / マラッセの上皮遺残 / 歯根形成期 / BMP receptor
研究概要

【緒言】Bone morphogenetic protein(BMP)は骨形成に関与するだけでなく,歯の形態形成においても,上皮-間葉相互作用におけるシグナル伝達物質として細胞の分化や細胞外マトリックス(ECM)の合成を調節していると考えられている。そこで本研究では,ラット歯根形成期におけるBMP-2,BMP receptor(BMPR)および歯根膜のmarkerであるType XII Collagen(Col-XII)の局在を免疫組織化学を用い検索した。
【材料および方法】1.実験動物は生後1〜6週のWistar系雄性ラット24匹を用いた。4%パラフォルムアルデヒドで潅流固定後,上下顎臼歯部を取り出し,0.1M EDTA溶液で脱灰を行った後,脱水して約5μmのパラフィン切片とした。2.免疫組織化学:1)使用した抗体(1)BMP:抗ヒトBMP-2抗体(2)Col-XII抗体(3)BMPR:BMP type IA,IB,II receptor抗体。2)免疫反応:ABC法で反応を行い,光顕下で免疫反応の局在を観察した。
【結果】BMP-2の免疫反応は,歯根形成初期では,歯槽頂の骨芽細胞,マラッセの上皮遺残にみられた。歯根膜の線維芽細胞では歯間水平線維群に近接した線維芽細胞に最も強い免疫反応が観察された。歯根形成後期および根尖形成期では,根間分岐部付近のマラッセの上皮遺残が強い免疫反応を示した。
Col-XIIの免疫反応は,根尖形成期より歯間水平線維群に近接した線維芽細胞に強く観察された。
BMPRにおける観察では,BMPR-IA,-IB,-IIの免疫反応は歯槽骨の骨芽細胞,破骨細胞,マラッセの上皮遺残および歯間水平線維群に近接した線維芽細胞に観察された。しかし,各抗体間の反応の強さには差が認められ,骨芽細胞およびマラッセの上皮遺残ではBMPR-IBおよび-IIの反応はBMPR-IAと比較して強かった。
【考察および結論】歯根形成期においてBMP-2,BMPRおよびCol-XIIが歯間水平線維群に近接した線維芽細胞にcolocalizeしていることからBMPは歯根膜のmarkerであるCol-XIIの合成に重要な役割を果たすものと考えられた。そのため,BMP-2は歯根象牙質や歯周組織の硬組織だけでなく歯根膜などの軟組織の形成にも関与していることが示唆された。また,マラッセの上皮遺残にはBMP-2およびBMPRが局在していたことから,マラッセの上皮遺残は歯根膜組織の形成において上皮-間葉のシグナル伝達に関係している可能性が示唆された。

報告書

(2件)
  • 2000 実績報告書
  • 1999 実績報告書

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公開日: 1999-04-01   更新日: 2016-04-21  

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