研究課題/領域番号 |
11771379
|
研究種目 |
奨励研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
化学系薬学
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
眞鍋 敬 (真鍋 敬) 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 講師 (00251439)
|
研究期間 (年度) |
1999 – 2000
|
研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
|
配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2000年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1999年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
|
キーワード | ルイス酸 / キラル触媒 / 不斉合成反応 / アルドール反応 / キラル配位子 / 水中反応 / 希土類金属 / 水系溶媒 / 界面活性剤 / ブレンステッド酸 |
研究概要 |
本年度においては、キラルルイス酸を用いる不斉炭素-炭素結合形成反応を水系溶媒中で行うことを可能とするキラル触媒の開発研究を行った。ルイス酸として希土類金属トリフラートを用い、種々のキラル配位子との組み合わせを検討し、有機合成における最も重要な反応の一つである向山アルドール反応に用いたところ、2つのピリジン環を有するキラル環状多座配位子を用いたときに、高い不斉選択性の発現が観測された。特に、希土類金属としてランタン、セリウム、プラセオジムを使用した場合に、良い結果を与えた。このキラル配位子とプラセオジムイオンとの錯体のX線結晶解析により、プラセオジムイオンが配位子の中心に多点配位によって取り込まれており、また、配位子は、金属イオンの周りに効果的な不斉環境を形成するような立体配座をとっていることが明らかとなった。更に、不斉アルドール反応の速度論的研究により、このキラル配位子は、金属イオンに対する親和性は極めて高いが、同時に、金属イオンのルイス酸性はあまり低下させていないことが判明した。このことが、水系溶媒中での不斉ルイス酸触媒反応の実現のためには重要な要因であると考えられる。 水系溶媒中での触媒的不斉合成反応は、近年になって注目されるようになった研究領域であるが、その成功例は極めて少ない。本研究で開発した反応は、希土類金属塩をルイス酸として用いる水系溶媒中での触媒的不斉アルドール反応の初めての例であり、本分野に、重要な知見を与えるものである。
|