研究概要 |
1)最近クローニングされたホヤの電位依存性L型Ca^<2+>チャネルがカルシウム拮抗薬およびカルシウムチャネル・アゴニストに対する感受性を欠く事に着目した。アミノ酸配列を比較しポイントミューテーションを導入した改変Ca^<2+>チャネルをBHK6細胞に発現させ機能解析を行ったところ、電位依存性L型Ca^<2+>チャネルのポアを形成すると推定されているドメイン(IIIS5-S6)にカルシウム拮抗薬およびカルシウムチャネル・アゴニストの結合に重要なアミノ酸を同定した。この発見はL型Ca^<2+>チャネルのゲーティング機構について新たな概念を開いた(Yamaguchi et al.,J.Biol.Chem.275:41504,2000)。2)電位依存性L型Ca^<2+>チャネルのプロテインキナーゼAによるリン酸化とL型Ca^<2+>チャネル電流密度の増大に関わるアミノ酸を同定した。さらにこれとは異なるドメインのプロテインキナーゼAによるリン酸化を介してCa^<2+>チャネル活性化の閾膜電位が低下することを示した(Naguro, et al.,FEBS Letters,489:87,2001)。3)電位依存性L型Ca^<2+>チャネルα_<1C>サブユニットの細胞内カルボキシル末端部分と相互作用する蛋白をYeast Two-Hybrid法により脳cDNAライブラリーからスクリーニングし、APPファミリーに属する蛋白(APP,APLP-1)を同定した。APLP-1をL型Ca^<2+>チャネルと共発現させることによりL型Ca^<2+>チャネル電流の活性化閾膜電位が上昇した(論文投稿中)。
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