研究課題/領域番号 |
11771496
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
人類遺伝学
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
陳 嘉竝 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (10296725)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2000年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1999年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | SIM2 / トランスジェニック / マイクロインジェクション / プロモーター / 受精卵 / マウス |
研究概要 |
ヒトSIM2遺伝子は21番染色体のトリソミーに起因するダウン症の原因遺伝子として知られており,遺伝子のクローニング及び全塩基配列はすでに本研究室で報告され、その機能解析も進められている。ヒトSIM2遺伝子はショウジョウバエSIM遺伝子にホモロジーを持つ転写因子であり中枢神経系の初期発生時に必須な遺伝子発現調節を担っていると考えられる。 ヒトSIM2遺伝子の発現を解析するためを、そのプロモーター領域をレポーター遺伝子(β-gal)を連結し、BDF1マウスの受精卵の前核にマイクロインジェクションした。トランスジェニックマウスが生まれないため、胚でのβ-Galの発現を指標にSIM2プロモーター活性を検討したところ、初期胚でβ-Galの発現は認められたが、胚の早期発生段階で外来のSIM2プロモーター領域が存在すると何らかの理由で胚の発生が阻止され死に至る様であった。このことからSIM2プロモーターのコピー数は発生に影響を与えると考えられた。さらに、より厳密な発現調節のためプロモーター以外の発現調節領域がトランスジェニックマウス作製には必要である可能性も考えられた。そのため、BACライブラリからヒトSIM2遺伝子を含むクローンを選択し、その144kbのDNAの約300コピーをBDF1マウスの雄性前核に注入し、ヒトSIM2遺伝子を持つトランスシェニックマウスの作製を試みた。しかし、SIM2プロモーター領域とレポーター遺伝子を用いた前実験と同様に胚の発生が6日目から停止したことが判明した。過剰なSIM2遺伝子が胚の早期発生に異常をきたすことは、SIM2遺伝子は胚発生に非常に重要であることを示している。現在、注入するコピー数を減らして実験を行っているほか、ES細胞を用いたトランスジェニックマウス作製実験を計画中である。SIM2遺伝子を余分にもつトランスジェニックマウスが作製できればダウン症の病因の究明にも重要な知見をもたらすだろう。
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