研究課題/領域番号 |
11771520
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
基礎・地域看護学
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
長谷部 佳子 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (30302871)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2000年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1999年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 温罨法 / 皮膚血流量 / 湯たんぽ / 温冷感 / 快適感 / 体脂肪率 / 温熱感受性 / 電気あんか / 被覆内温度 |
研究概要 |
この研究は、経験的手法として用いられることが多い温罨法を看護技術として体系化させる目的で一昨年から着手している。昨年の研究からは、病棟や日常生活での温罨法の実施において同一温度であっても器具によって効果に違いが生じる可能性が示唆された。そこで本年度は、湯たんぽ湯温の違いが生体に及ぼす影響について、マスキングの徹底により明らかにすることを目標に掲げた。つまり温罨法の実施によって惹起される局所皮膚血流量の増加や温冷感覚、快適感覚の変化が器具の形態に因らず温熱刺激そのものに起因することの検証に取り組んだ。 湯たんぽの湯温を3種に変化させたクロスオーバーデザインを組み、健康な女性28名(20歳以上30歳未満で3回の協力が可能、かつ内分泌疾患の既往がなく、定期投薬も受けていない者)を対象として実験を行った。コントロールは被覆内温度に相当する湯温30℃の湯たんぽ挿入として、残り2条件は作成時の湯温を80℃と55℃とした。同一被験者に対する3つの温熱条件は日を変えて順番を無作為に割り付けて実施した。 実験結果として、就床中の足趾への温熱刺激が足趾皮膚血流量の有意な増加を示したほか、湯たんぽ作成時の湯温30〜80℃範囲内では主観的効果である温冷感と快適感もそれぞれ湯温の高さに比例する傾向が確かめられた。したがって上述の仮説はほぼ証明されうるものと考える。一方、被験者の年齢が20〜22歳と若く均質な集団であったためか、一昨年の実験に比して全ての実験終了後の湯温に関する好みは、80℃より低めの55℃に多くなる傾向が伺えた。また、温冷感や快適感は、体脂肪率及び「暑がり」「寒がり」等の温熱感受性に関する被験者自身の評価に相関した。上記の結果より、対象に適した温罨法を実施するための作成時湯温の重要性、及び評価としての観察項目が得られた。
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