研究課題/領域番号 |
11771523
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
基礎・地域看護学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
白井 文恵 大阪大学, 医学部, 助手 (50283776)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2000年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1999年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 易感染宿主 / 好中球 / 活性酸素 / 活性窒素 / 高齢者 / 腎透析患者 |
研究概要 |
高齢者や糖尿病患者、血液透析患者は感染を受けやすく、易感染宿主であると言われている。易感染状態は、一般に、末梢血白血球の数の減少により判断されているが、個々の細胞の有する殺菌能力の低下が易感染状態の本質であると考えられる。今回、血液透析患者の易感染性の原因を、好中球の殺菌能力、つまり、好中球の産生する殺菌物質である活性酸素や活性窒素の産生能力から追究し、健康静成人と比較した。 慢性腎不全により血液透析を実施するに至った患者を対象とし、ヘパリン末梢血から、デキストラン法により赤血球を沈降させ、上清分画の細胞からパーコール法により単核球及び赤血球を除去し、好中球を分画精製した。好中球の産生する活性酸素(過酸化水素及びスーパーオキサイド)、活性窒素(ペルオキシナイトライト)量は、蛍光発光法及びルミーノール依存性化学発光法(NO消去剤の存在下、非存在下)、により測定した。対照として20歳台の健康成人を用いた。その結果、(1)末梢血中の白血球数は、血液透析患者と健康成人の間に有意な差が認められ、血液透析患者では数が少ない傾向にあった。(2)個々の好中球の産生する過酸化水素及びスーパーオキサイドの量について両群を比較したところ、有意な差は認められなかった。(3)個々の好中球の産生するペルオキシナイトライト量は、血液透析患者において個人差が大きかった。(4)血液透析患者の血清中には、ペルオキシナイトライトの産生を抑制する物質の存在が示唆され、この物質は血液透析により除去され、好中球のペルオキシナイトライト産生能が回復した。 これらのことから、血液透析患者における易感染性の原因のひとつは、血液中に存在する、好中球のペルオキシナイトライト産生能を抑制する物質の存在であることが示唆された。
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