【研究目的】 本研究の目的は、処置場面における子どもと看護婦の関わりから、子どもの行動・反応と看護婦の関わり、及びその関連を探り、子どもと看護婦の関係性を明らかにすることである。 【研究結果】 昨年度は、処置場面における看護婦の関わりに関する文献検討を行った。結果、看護婦の態度は何も明らかにされていなかった。そのため、看護婦の態度、及び、子どもと看護婦の行動や反応の関連性について、処置の流れの中から探っていく必要があると考えられた。 そこで、今年度は、処置場面における子どもと看護婦の関わりの参加観察と、看護婦の面接をもとに継続的比較分析を行った。対象は、修士論文のデータに継続して、短期入院の年長幼児と処置に関わった看護婦とした。対象数は、子ども16名、看護婦20名であった。 結果、処置場面における看護婦の関わりの要素と関わりのタイプが明らかになった。看護婦の関わりの要素は、処置前に『不安にさせない』と『共に臨む』、処置中に『意志の尊重』と『危険からの保護』、処置後に『努力を認める』と『関係の修復』の要素が抽出された。処置前、処置中の各2要素は、要素間のバランスが崩れると、処置がスムーズに進行し難くなったり、子どもが苦痛な状況になっていた。また、関わりのタイプは、処置の流れを通して、3つに分けられた。処置場面において、看護婦は、子どもの反応を的確に捉え、処置の進行を把握し、子どもに対する関わりと処置遂行に対する働きかけのバランスを保ちながら関わってゆくことが必要であると考えられた。 今後は、処置場面における看護婦の関わりの要素と関わりのタイプについて、場面のCASE数を増やし、その関連を明らかにしていく必要があると考える。
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