研究課題/領域番号 |
11780010
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
体育学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
川上 泰雄 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (60234027)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2000年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1999年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 超音波法 / 高齢者 / 筋力 / 筋形状 / 腱組織 / 弾性 / 筋肥大 / 筋萎縮 / 加齢 / 身体活動能力 / 神経系の興奮水準 / 柔軟性 |
研究概要 |
・平成11年度 筋形状の加齢変化に関する横断的研究 超音波法を用いて上肢(上腕部)および下肢筋(大腿部・下腿部)の筋形状(筋厚、羽状角)を計測した。被験者は健常青年、中高年を含む集団であった。その結果、筋形状の加齢変化は筋によって異なり、萎縮の少ない筋(特に上肢)と多い筋(特に下肢)が存在することが明らかになった。また、全ての筋において、筋厚と羽状角の間に正の相関関係が認められ、筋肥大は羽状角の増加、筋萎縮は羽状角の減少を伴うことが明らかになった。しかし、筋厚と羽状角の変動範囲は筋によって異なり、筋形状の可塑性に筋による違いがあることが示唆された。 ・平成12年度 筋特性の加齢変化に関する研究 健常な高齢者男女6名および健常な大学生男女11名について、最大努力で等尺性足関節底屈動作を行ったときの底屈トルクを測定し、電気刺激を用いて最大随意筋活動時の神経系の興奮水準を定量化した。また,下腿三頭筋よりH反射を誘発した。さらに、Bモード超音波法を用いて、腓腹筋内側頭の筋厚と羽状角を、安静時および最大等尺性底屈運動中に測定した。運動中に筋束の短縮が認められたが、これより筋収縮時の腱組織の伸張量を推定した。随意最大トルクと神経系の興奮水準はともに高齢者群が青年群よりも低い値であった。また、H反射はヒラメ筋、腓腹筋ともに高齢者群が青年群を下回った。腓腹筋の筋厚は高齢者群が青年群を下回る傾向であったが有意差はみられなかった。また、筋束長や羽状角にも有意な違いは認められなかった。高齢者群青年群よりも最大随意筋力が低く、これは主として神経系の興奮水準の低下(大脳レベル・脊髄レベル双方で)に起因していることが示唆された。高齢者群の特徴としてどの測定項目にも大きな個人差がみられた。腱組織伸張量に有意差が認められず、腱組織の弾性は加齢によって必ずしも低下するわけではないこと示唆された。
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