研究概要 |
1総合学習の実践課題に関して 「総合的な学習の時間」の実践的課題を,「総合」の概念に注目して類型化し,その計画的実践のための課題を明らかにした上で,導入期には,「布石」と考えて試行錯誤的に多様な実践を準備していくことの必要性を指摘した。計画性としては,「全体」→「補完」・「連携」→「統合」という時間的流れによる適切な学習場面の設定を考察し,この流れに対応する「ふるさと」「いのち」「わたし」の総合学習を提言し,共同研究校で試行した。 2教育課程経営と教材開発 計画的な実践のためには,実践を支える教育課程経営と,学習課題・学習形態に応じた教材開発のあり方が重要となる。特に,ティームティーチング,外部人材の活用,柔軟な時間割編成,多様な学習組織等は,円滑な実践のために必要な教育課程経営の内実である。また,そこに盛り込む教育内容として,良質な共通教材,個々の学びの支援に役立つ学習環境の設定が,教材開発には必要である。なお本研究では,「学び方教材」を開発した。 3総合学習と基礎・基本 「総合的な学習の時間」の実践のためには,評価観の転換が必要であり,そのためには,「基礎・基本」の概念の検討が必要である。目標,計画,評価の各次元で求められる基礎・基本の考え方を検討した。 加えて1から3の基盤となる実践や理論を,(1)戦後の地域に根ざす教育の歴史の実証的研究,(2)主要概念の整理として,補論的にまとめた。 なお,2年間の研究成果を報告書(A4版84ページ,2001年3月印刷)として作成した。
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