研究概要 |
本研究は,インターネットの基本機能の一つである経路の選択の仕組みを効果的に学習させることを目的に,初心者向けのシミュレーション型ソフトウェア教材を作成し,その学習効果を定量的・定性的に検証することを目的とする。そのため,1年目は,主に教材の作成を行った。そして,本年(2年目)は,作成した教材の学習効果を定量的・定性的に検証するために,次の研究を実施した。 1.本研究で作成した教材の効果を検証するために,この教材を用いた学習指導システムの作成と実験授業を行った。その結果,本教材を用いた指導は,ネットワークに関する基本用語の意味を記述する問題や,ルーティングテーブルの経路情報表を記述する問題等において学習効果が向上するとの知見を得た。さらに,情意面では,ルータ内のデータの流れ,パケットの持つ情報,ルーティングテーブルの役割,ルータの役割等を把握できたとの意識を持つとの知見を得た。このことについて,下記にとりまとめて報告した。 川島芳昭,他:ルータによる経路選択の学習指導用教材の開発と評価,日本産業技術教育学会誌第43号巻1号,2001年3月,pp.27-36. 2.本研究で作成した教材と実際のネットワークの仕組みとの関連を学習者に概括的に把握させることを目的に,CGを用いた導入指導用の教材を作成した。この導入指導用の教材は,学習者が逐次操作を通して能動的に学習でき,かつ両者の関連を初心者に把握させるために,パケットが転送される過程やルータ内の処理の手順を動的なアニメーションとして学習者に提示するものである。この教材の機能,特徴,さらに試用した結果について,下記にとりまとめて発表した。 川島芳昭,他:ネットワークの経路選択の学習指導用導入教材の開発(2),教育工学関連学協会連合第6回全国大会講演論文集,2000年10月,pp.819-820.
|