研究課題/領域番号 |
11780119
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
教育工学
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
齊藤 貴浩 東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 助手 (50302972)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2000年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1999年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 通信制大学 / 通信制大学院 / 遠隔教育 / 教育メディア / 大学評価 / 教育システム |
研究概要 |
メディアを用いた遠隔教育を行っている大学を対象とし、実際に遠隔教育に接している教員、職員、そして学生に聞き取り調査を行った結果、以下のことが明らかとなった。 遠隔授業を実施する際、通常の対面授業と同じ授業の質を担保するために最も大きな問題となるのは授業者・学習者間の円滑なコミュニケーションの確立(双方向生の確保)、そして、学習者間コミュニケーションの確立である。そのためには、適切なメディア選択もさることながら、その運用についても配慮が必要である。従来の教育は対面授業を基礎としてきたために、教員、職員、そして学生さえも対面授業と同じ行動をとる傾向にあり、かつ同等の質的効果を求めている。このことこそが遠隔教育の成功を妨げる要因となる。「遠隔教育は対面授業とは異なる」という概念を各人が共有し、対面授業に近づけるような各人のわずかな工夫が遠隔教育の成功に結びつく。 例えば、学生が授業に参加している認識を持たせるために、一人一人を見ることができるシステムを導入することも1つの解決策であるが、それが不可能な場合でも、電子メールを用いて授業外での対応を行うなどの方策は講じられる。集合型の遠隔授業であれば、名前で指名するという授業内での工夫もあれば、チューターを配置する等の制度面での対応も考えられる。遠隔授業の性質のすべてをメディア選択に負わせることなく、それを工夫して学生の学習意欲を喚起することが必要である。そのためには、「教員1」対「学生多数」という状況によって生ずる教職員の過度な負担を軽減する運営組織作りと費用面の援助もまた重要な要因といえる。 遠隔教育は、日本では国民の生涯学習のニーズへの対応という側面が強いが、途上国においては若年層の教育機会の確保のための重要なツールとなり得る。今後の遠隔教育に関する国際教育援助について考えれば、ハードのみならず上記のソフト面の技術移転もまた重要と考えられる。
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