研究課題/領域番号 |
11780161
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
日本語教育
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
中溝 朋子 琉球大学, 留学生センター, 講師 (70305217)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2000年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1999年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | フィラー / 出現位置 / 談話機能 / 共起する表現 / 会話タイプ / 知識ベース / 検索 / 文法化 / ディスコース・マーカー / 会話 / 文字化資料 / 会話分析 |
研究概要 |
本研究は、会話中のフィラーの機能を明らかにすることを目的とし、11年度はデータ収集・整理を、12年度はその分析・検討を行った。データは(1)ロールプレイ(2)インタビュー(3)タスク会話(4)自由会話の4タイプの対話資料を収集し、「言い淀み」として扱われてきた「えっと120例」「あの(-)708例」「なんか229例」「ま(あ)511例」について出現位置、談話機能、会話タイプ、共起表現などの観点から検討を行い、以下の結論を得、用法別の用例集を作成した。 本研究では、「えっと」と「あの(-)」は話し手が発話したい内容・表現が見つからない場合に自己の知識ベースを検索する際に用いられるが、「えっと」は自己目当て(聞き手を意識せず話し手の知識ベースで行う検索)であるのに対し、「あの(-)」は他者目当て(聞き手を意識しながら行う検索、または聞き手も巻き込んで行う検索)である点が異なるという結論を得た。 また「なんか」と「ま(あ)」は、話し手が発話する内容や表現に確信を持てず暫定的に述べる場合であり、「なんか」は、最適な言語表現かどうか、どのように表現したら良いか確信を持てず、暫定的なものとして述べる場合であり、「ま(あ)」は、下そうとする判断や結論・内容に関して暫定的に述べるという点が異なるという結論を得た。 今後の課題は、会話中のデータの入出力に関わる短いフィラーも分析できるように、より高度な音声的な検討を行うこと、また、上述の4項目のうち「えっと」以外は、実質的に意味を持つ言語形式が文法化されフィラーの機能を持つようになったと考えられるが、その文法化の段階、もしくは境界について詳しい検討を行うことなどが挙げられる。今後は、このような検討を通してさらにそれぞれのフィラーの機能を明確にし、接続表現とも合わせて、会話におけるディスコースマーカーの体系的記述をめざして行きたい。
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