研究概要 |
1.巡廻分解可能な釣合い型不完備ブロック計画の関連計画として,分解可能性とrotationalityという巡廻的な性質を併せ持つ2-fold 4-cycle systemの構成法について示した.この構成法は,これまでの有限体や射影幾何による構成法とは異なり,extended Skolem sequenceとこれに関連した新たな系列を利用したことで,その存在の必要十分性までをも完全に示すことに成功した.(本研究の成果は投稿中) 2.巡廻分解可能な釣合い型不完備ブロック計画の工学的応用として,スペクトラム拡散通信における周波数ホッピング系列(FH sequence)に着目し,その有効性と妥当性をはじめて示した.(日本数学会2000年秋季総合分科会統計数学分科会特別講演にて発表.なお,本研究は来年度以降も継続予定) 3.分解可能な釣合い型不完備ブロック計画の一般形として,行列型の巣構造を持つ釣合い型不完備ブロック計画の構成法を示した.これにより,これまでの構成法では与えることのできなかったパラメータのシリーズを与えることができた.(本研究の成果は現在投稿準備中) 4.釣合い型2部ブロック計画(balanced bipartite block design)の存在については,ブロックサイズ3,4のときの必要十分性の完全証明を目指し,これまでのところ,ブロックサイズ3の場合の必要条件をパラメータの表として与え,更に2部の会合数が等しく,bipartite部分の会合数がそれより小さい場合について,組分け計画(group divisible design)やグラフ分解(graph decomposition)等の手法を用いて十分性を示すにまで至っている.
|