研究概要 |
本研究はネットワーク上の通信スケジューリングのアルゴリズムをグラフ理論,特に重み付け辺彩色アルゴリズムの応用により研究開発するものである.ネットワーク上の通信をモデル化する.グラフ上の各点はコンピュータに,辺はコンピュータ間の通信要求に対応する.各コンピュータυは同時に通信できる最大数f(υ)も決められ,各コンピュータ間(υ,w)には同時使用できる回線の最大数g(υ,w)も決められているとする.各通信要求(辺e)に通信時間(重みw(e))を付ける.この時f(υ)とg(υ,w)の条件を満足し,同時に通信可能な辺を同一色で塗る.各色について、かかる通信時間は同じ色で塗られた辺の最大重みに対応している.また,通信が始まる前に必ず前回の通信が全部終了したとする。このように各色で塗られたグラフの辺の最大重みの総和を最小にするグラフ辺彩色は,最短時間での通信スケジューリングに対応している.このようなグラフ辺彩色問題を重み付け辺彩色問題という.本研究は上記のモデルを更に検討強化し,効率よく実行する通信スケジューリングを求める高速で実用的なアルゴリズムの研究開発,特に木の重み付け辺彩色問題を解く多項式時間のアルゴリズムの研究開発を行なった.また,コスト辺彩色問題もネットワーク上の通信スケジューリング問題によく応用されることが知られている.我々は与えられた木をコスト辺彩色問題をO(nΔ^2)時間で解くアルゴリズムを与えた.ここで,nは与えられた木の点数で,Δは最大次数である.
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