研究概要 |
本年度はまず,昨年度に試作した環境記述用ソフトウェアを用いて実際の移動ロボットを制御する実験を行った.レーザレンジファインダを備えたロボットを未知空間内で動作させ,環境中の障害物の地図を作成し回避しながら指定された目的地まで移動させた.環境記述ソフトウェアを用いることによって,地図作成や経路生成の処理を容易に記述することができた. 次に,ソフトウェア開発を容易にするための手段として,環境記述内容をグラフィクス表示することを研究した.グラフィクス表示部はOpenGLを用いて記述し,用意した環境記述法およびロボットやセンサデータそれぞれに対しグラフィクス表示するルーチンを開発した.さらに,ロボットの移動やセンシング処理を,それらの誤差を考慮してシミュレーションするルーチンを開発した.これらにより,実際にロボットを動作させることなく移動ロボット制御プログラムの開発をある程度進めることが可能になった. さらに,動的環境を扱うために移動障害物のモデル化手法を検討した.移動の不確かさを確率モデルで表現し,複数回の観測から移動障害物の動きを推定する手法を,移動障害物を表現するクラスとして実装した.
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