研究概要 |
これまで構築したマルチエージェントシステムにすべてのエージェントは個性を持たず,共同推論データベースを利用していた.また,エージェントはある知識を獲得した後,この知識を推論終了まで持ち続けていく.そのため,知識の更新と修正やエージェント間のコミュニケーションなど問題は未解決のままである.本研究では,各エージェントに個性を持たすことによって柔軟的なマルチエージェントシステムを構築した.また,各エージェントは自分自身特有の推論ルールとデータベースを持つことによって,知識の修正と更新,エージェント間の通信など問題を簡単かつ効率的に解決できるようになった.我々はマルチエージェント協調システムに必要であるCommon KnowledgeおよびImplicit Knowledgeをシステムに取り組んだ。その研究に関連する論文を「Multi-agent Cooperative Reasoning Using Common Knowledge and Implicit Knowledge」という題名で2000年8月オーストリアで開催された環太平洋人工知能国際会議にて発表した.我々はこのシステムの推論に用いられる定理証明器SATCHMOの効率化するために,新しい手法を提案した.この新しい手法に関する論文は国際雑誌Journal of Automated Reasoningに採録された.我々はさらに提案したシステムをProlog言語とC言語で実装した.そのシステムを用いて,エージェントの個性は協調行動結果にの影響の評価と分析,ある仕事に最適なエージェントの個性の解明などの実験を行い,興味がある結果が得られた.今後は,実験環境をより現実化し,実際の応用問題を用いて実験を行い,関連成果を論文にしたい.
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