研究概要 |
平成11年度の研究成果で得られた正方形によるFEM要素自動生成手法(ホメオボックス遺伝子を組み込んだエージェントによるFEMメッシュ生成)を拡張し,立方体要素を自動生成するためのアルゴリズムを確立した.そして以下の点について,立方体要素生成に関するエージェントクラスへのメソッドおよび属性の追加・変更を行った. (1)エージェントの三次元化(三次元空間の認識),(2)立方体要素生成に関する知識の追加,(3)結果のビジュアル化およびファイル化 各項目に対する具体的な作業としては, (1):エージェントのコアとなるクラスおよびエージェントを構成する節点クラスの三次元化が主な作業 (2):本年度の解析対象物を複雑な形状を有する人間の歯および顎関節に絞り,それらの形状を特定する点座標値群(CTにより歯および顎関節の三次元形状情報を抽出後,外形および内部の神経を構成する点座標値群のみに変換したデータ)を日本大学歯学部のご協力により得られたので,結線(および結面)情報の無い座標値群のみでの自動メッシュ生成を行うための知識追加 (3):CAD等で一般的に用いられているファイル形式であるDXFに生成されたメッシュデータを変換後出力し,可視かはDXFファイルを読み込める既存のソフトウェアを用いる. その結果,形状を特定する点座標値群のみでの自動メッシュ生成が可能であることがわかり,さらに,歯および顎関節に関しては,10000要素以上を生成しなければ独自の形状を表すことが困難であることも明らかとなった.なお,現段階では立方体によるメッシュ生成までに止まっており,解析対象物の形状によっては,境界に沿わない要素が生成されるが,今後,エージェントの自己変形機能等を組み込むことで改善をはかる.
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