研究課題/領域番号 |
11780344
|
研究種目 |
奨励研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
プラズマ理工学
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
樋田 美栄子 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助手 (00273219)
|
研究期間 (年度) |
1999 – 2000
|
研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
|
配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2000年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1999年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
|
キーワード | 多種イオン / 電流不安定性 / イオン音波 / イオンサイクロトロン波 / ブーネマン波 / 粒子加熱 / 非線形発展 |
研究概要 |
太陽フレアー時に発生する高エネルギー重イオンの組成異常、地球磁気圏における酸素イオンの加熱現象など、宇宙プラズマにおける重イオン粒子の加速・加熱現象は数多く報告されている。そして、これらの現象において電流不安定性が重要な役割を担っているものと考えられている。本研究は、不安定性の非線形発展とそれに伴う重イオン粒子の加熱機構やエネルギー輸送量等を明らかにすることを目的としている。主成分を水素、副成分を重イオンとするプラズマを対象とし、磁場に沿って流れる電子電流による不安定性について、空間2次元・速度3次元の静電粒子コードを用いてシミュレーション研究を行なっている。 昨年度は、弱い電子電流によるイオン音波やイオンサイクロトロン波の不安定性に注目し、電子の速度分布関数f_e(ν_‖)の変化が、波の成長や飽和、イオンへのエネルギー輸送において重要な役割を果たすことを明らかにした。本年度は、これらの現象について理論的な解析を行なった。さらに、強い電流によるブーネマン波等の不安定性についてシミュレーションを行なった。その結果、強い電流はf_e(ν_‖)をより急激に変化させること、また、主成分の水素と副成分の重イオンにはそれぞれ異なったメカニズムでエネルギーが輸送されることを明らかにした。強い電流は、初期にブーネマン不安定性を引き起こし、大きな電位を生成する。この電位により電子が捕捉され、ブーネマン波は飽和し、またf_e(ν_‖)が強く変形を受ける。このf_e(ν_‖)の変化により、初期に安定なイオンサイクロトロン波が不安定化する。水素へのエネルギー輸送はブーネマン波の電位による反射によってもたらされ、重イオンへの輸送はイオンサイクロトロン波との共鳴によって引き起こされる。現在、これらの成果についての論文を2編作成し、投稿中である。
|