研究課題/領域番号 |
11780352
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
プラズマ理工学
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
田中 邦翁 上智大学, 理工学部, 助手 (60276516)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2000年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1999年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 大気圧グロープラズマ / 吹き出し型放電管 / アッシング |
研究概要 |
吹き出し型の大気圧グロープラズマ装置を用いて、固体表面上に付着している有機物を酸化除去することが可能であり、その処理速度が従来の低圧グロープラズマを用いた処理と比較して同程度であることを、昨年度までの研究で明らかにした。また、処理速度と処理(放電)条件との関係を調べたところ、処理速度はガス流量に非常に大きく依存していることが明らかとなった。そこで本年度は、まず試料ガスの吹き出してからの線流速および放電場に滞留している時間と処理速度との関係について実験を行った。 線流速は試料ガスが吹き出し口から吹き出し試料表面に到達するまでの時間のみに影響し、放電場で生成する活性種の密度には影響しない、即ち生成される活性種の密度は電力密度と試料ガスの滞留時間によって決定されることが分かった。また、処理速度は到達時間に対して指数関数的に減少していたことから、放電場を通過した試料ガス中には明らかに活性種が存在し、それらが大気圧かにもかかわらず到達時間内,数msの間存在し続けていることも明らかとなった。次に滞留時間について調べたところ、処理速度は最初のうち滞留時間に対して直線的に増加していき、その後滞留時間が約30ms以上になるとほぼ一定の値を示した。これは、放電場での活性種の生成が約30msで飽和状態になることを意味している。これらの結果から、処理速度を上げるには吹き出し口の断面積を出来るだけ小さくし、滞留時間を有る一定以上に保持したまま線流速を上げることが、装置の設計する上で重要であることが分かった。 次に、LIFで試料ガス中に含まれる酸素原子密度の測定を試みたが、今回の実験では酸素原子を検出することは出来なかった。しかしながら、発光スペクトルの測定から、酸素原子の946.5nmの発光強度と処理速度に相関が見られ、この発光強度から最大の処理速度を推測できることが明らかとなった。このことは、発光強度の変化を放電条件へフィードバックすることで常に処理速度を最大に保つことが可能であることを示唆しており、実用上非常に有用であることが分かる。
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