研究課題/領域番号 |
11780355
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
核融合学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
長崎 百伸 京都大学, エネルギー理工学研究所, 助教授 (20237506)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2000年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1999年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 電子サイクロトロン共鳴加熱 / 電子バーンシュタイン波 / カットオフ / モード変換 |
研究概要 |
電子サイクロトロン共鳴加熱(ECH)は磁場閉じ込め核融合において有効なプラズマ生成・加熱方法であり、MHD不安定性の抑制・非誘導電流駆動・熱輸送の解析等にも用いられている。ECHには通常、一回吸収率の良さからO-mode、X-modeといった電磁波モードが選択されてきたが、これらのモードにはカットオフと呼ばれる密度上限があるため、カットオフ密度を越えたプラズマでのECHの適用を阻んできた。この問題を克服し、より高い密度へのアクセスを可能とする手段の一つとして電磁波から静電波へのモード変換が考えられる。電子バーンシュタイン波には伝搬に密度上限がなく、また、電子サイクロトロン共鳴層にてほぼ100%吸収されるという長所を有している。O-X-B加熱はプラズマ加熱の密度領域を格段に広げるものとして期待できる。本研究の主目的は、O-X-B加熱を用いたカットオフ密度を超えるプラズマでの電子サイクロトロン加熱に実験的及び理論的に調べることである。 今年度研究成果としては、 1.ヘリオトロンJでの電子サイクロトロン共鳴加熱実験において、プラズマ中心領域に電磁波の共鳴層が存在せず、周辺領域(r/a>0.8)にのみ基本波共鳴層が存在する条件下において、第2高調波中心加熱と同程度の有効なプラズ加熱による蓄積エネルギーの増加が観測された。プラズマ中心に直接的にECHパワーが吸収されていることを示唆するデータがラジオメータを用いた電子温度分布計測により得られており、高域混成層でのX-B変換によるプラズマ加熱により説明できるものと考えている。 2.O-X-Bモード変換による電磁波および静電波のプラズマ中での伝搬を理論的に調べるために幾何光学近似を用いたレイトレーシングコードを開発を進め、ヘリカル型装置LHDでの波の伝搬について解析を行った。その結果、パワー吸収位置は電子密度・磁場強度に対する依存性はあるものの電子温度に対する依存性は弱く、外部からの制御によりパワー吸収分布制御が可能であることがわかった。
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