研究課題/領域番号 |
11780441
|
研究種目 |
奨励研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能生物化学
|
研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
平山 明子 (白土 明子) 金沢大学, 薬学部, 講師 (90303297)
|
研究期間 (年度) |
1999 – 2000
|
研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
|
配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2000年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1999年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
|
キーワード | 細胞貪食 / アポトーシス / ホスファチジルセリン / マクロファージ / 精子形成 / インフルエンザウイルス / 貧食 / リン脂質 |
研究概要 |
アポトーシス細胞表層には貪食目印分子が出現し、食細胞はこれに対する特異的受容体を使ってアポトーシス細胞を貪食する。今年度は、目印分子ホスファチジルセリン(PS)とその受容体SR-BIを介した貪食反応機構と、新規貪食関連分子の解析を行った。 1)ラット精巣セルトリ細胞に発現するSR-BIは、アポトーシス精子形成細胞表層のPSを認識して貪食反応を誘起する。様々な領域を欠いたSR-BI発現CHO細胞の貪食能解析より、SR-BIの509アミノ酸残基のうち、予想細胞外領域に位置する105-144番目、155-191番目を含む両領域がアポトーシス細胞結合に必要であること、また後者はPSとの結合に関与することを示す結果を得た。さらに、卵胞刺激ホルモン添加により培養セルトリ細胞のSR-BI発現が促進したことから、貪食反応が下垂体ホルモンの制御下にあることが示唆された。 2)インフルエンザウイルス感染細胞はアポトーシスを起こし、PSを介してマクロファージに貪食される。ウイルスの出芽に際して感染細胞表層に出現するウイルスコートタンパク質の貪食反応への影響を解析した。インフルエンザウイルスタンパク質のノイラミニダーゼ(NA)活性を欠く変異ウイルスを用いた解析により、NAが感染細胞のマクロファージによる貧食を促進することが示された。現在、NAが目印分子として働くのかその活性が貪食促進に必要であるのかについて解析中である。 3)アポトーシス後期細胞は初期細胞に比べて効率よくマクロファージに貪食される。新規貪食目印分子を解析するため、アポトーシス細胞を抗原とするモノクローナル抗体を作成した。マクロファージの貪食阻害効果を指標に樹立したモノクローナル抗体PH2は、アポトーシス後期およびネクローシス細胞の貪食反応を選択的に阻害し、その抗原は新規貪食目印分子であると考えられた。
|