研究課題/領域番号 |
11780443
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能生物化学
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
林 辰弥 三重大学, 医学部, 助手 (00242959)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2000年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1999年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | プロテインCインヒビター / 転写調節領域 / 腎近位尿細管上皮細胞 / Sp1結合部位 / AP2結合部位 / セリンプロテアーゼインヒビター / 活性化プロテインC / プラスミン / 反応部位 / 線溶系 |
研究概要 |
プロテインCインヒビター(PCI)は、主として肝臓で産生される血液凝固制御因子の活性化プロテインC(APC)に特異的な血漿阻害因子で、α1アンチトリプシンなどと相同な構造を有する血漿セリンプロテアーゼインヒビター(SERPIN)ファミリー蛋白質の1つである。また、PCIは尿中にもウロキナーゼ型プラスミノゲンアクチベーター(uPA)との複合体として存在し、尿中PCIは腎近位尿細管上皮細胞で産生されることが知られている。我々は、これまでに本奨励研究の補助の基、肝癌由来株HepG2細胞でのPCIの発現とその制御に重要な転写調節領域を解析し、PCI遺伝子の肝における発現のプロモーター領域としてはSp1結合部位が、エンハンサー領域としてはAP2結合部位が、サイレンサー領域としてはA-activator結合部位およびインターフェロン-γ反応性領域が重要であることを報告してきた。本年度は、これまでの研究をさらに発展させ、腎近位尿細管上皮細胞におけるPCIの転写調節領域をルシフェラーゼをレポーター遺伝子として解析した。その結果、そのプロモーター領域としてはSp1結合部位が、エンハンサー領域としてはAP2結合部位が重要であることが明らかになった。また、1.6kbの5'上流およびポリA付加部位を含む約15kbのヒトPCI遺伝子をマウスの受精卵に導入して作製したヒトPCI遺伝子トランスジェニックマウスでは、機能を有するヒトPCIがその血漿中に存在し、そのマウスにおけるヒトPCImRNAの組織分布がヒトにおけるそれとほぼ一致することから、本実験で使用した約15kbのヒトPCI遺伝子上には、ヒトPCIの組織分布を規定するほぼすべてのシスエレメントが含まれることが明らかになった。また、本ヒトPCI遺伝子トランスジェニックマウスを用いて作成した種々の疾患モデルマウスは、ヒトPCIのin vivoでの発現変動の解析に有用であると考えられた。
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