研究課題/領域番号 |
11780460
|
研究種目 |
奨励研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能生物化学
|
研究機関 | 国立循環器病センター |
研究代表者 |
小亀 浩市 国立循環器病センター研究所, 病因部, 室員 (40270730)
|
研究期間 (年度) |
1999 – 2000
|
研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
|
配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1999年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
|
キーワード | 血栓症 / ホモシステイン / 血管内皮細胞 / 遺伝子発現 / 小胞体ストレス / 分子シャペロン / RTP / Herp |
研究概要 |
小胞体は、蛋白質の高次構造形成や細胞内Ca^<2+>濃度調節などを担うオルガネラである。何らかの理由でその機能が破綻したり過負荷状態になると、細胞は小胞体ストレス応答と呼ばれる反応を示す。近年私達は、血栓症誘発物質として知られるホモシステインが小胞体ストレス応答を誘導することを見出し、さらに小胞体ストレスで発現誘導される新規蛋白質Herp及びRTPを発見した。そこで本研究は、「小胞体ストレス応答機構の解明」「両蛋白質の機能探索」「高ホモシステイン血症の病態発症機序解明」を主目的として計画された。以下に本年度の成果を列記する。【Herpの転写調節機構】Herp遺伝子プロモーター領域において、既知の小胞体ストレス応答シスエレメントERSEに加え、新規エレメントERSE-IIが機能していることを証明した。さらに、ERSE-IIに結合する転写因子はNF-YとATF6であることを見出した。【Herpの翻訳機構】小胞体ストレス下では、蛋白質全般の翻訳が抑制されることが知られている。にもかかわらず、HerpのmRNAは効率よく蛋白質へと翻訳される。このような翻訳抑制機構から逃れるしくみが、Herp mRNAの5'非翻訳領域に存在する18塩基の配列に依存することを明らかにした。【Herp及びRTP発現異常に伴う細胞機能変化】これらの蛋白質を誘導的に過剰発現させ得る細胞株を確立した。新たな機能解明に向けて、きわめて有効なツールとなると考えられる。【RTPファミリーのクローニング及び発現解析】ヒトRTP(NDRG1に改名)と相同性を示す新規ヒト遺伝子群NDRG2-4を単離し、詳細な解析を行った。特に脳と心臓に特異的に発現するNDRG4は、蛋白質レベルで少なくとも3つのアイソフォームから成ることを見出した。【Herpノックアウトマウス作成】ノックアウトマウス作成のためのES細胞の単離に成功した。以上の成果は、今後の研究の発展に大きく貢献すると考えられる。
|