研究課題/領域番号 |
11780480
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物物理学
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研究機関 | 高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
上久保 裕生 高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 助手 (20311128)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1999年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | X線散乱・回折 / 光受容蛋白質 / 時分割測定 |
研究概要 |
蛋白質の機能発現過程では、複数の分子内化学反応が規則正しく進行している。従って、機能発現機構を明らかにするためには、この一連の分子内反応の制御機構を明らかにすることが本質である。申請者らは、この制御に蛋白質の高次構造変化が中心的な役割を担っていると考えこれまで研究してきた。本申請では、特に、放射光を用いたX線散乱・回折データと可視吸収スペクトルを実時間で同時に測定することにより、蛋白質の局所的状態変化(分子内化学反応)と高次構造変化の時間相関を高い時間分解能で明らかにし、先の知見を得るべく研究してきた。 昨年度はX-ray Image intensifier CCD検出器を用い光受容蛋白質であるバクテリオロドプシン及びPhotoactive yellow proteinの反応過程で生じるX線回折・散乱データの時間変化を測定した。この実験を通じ、蛋白質の高次構造が生じるミリ秒領域の時分割測定は十分に可能であることがわかった。また、本奨励研究費を用いCCDステップスキャン可視吸収測定装置を購入し、X線散乱・回折及び可視吸収分光の時分割同時測定用セルを製作・開発した。 本年度は前年度の結果を踏まえ、Photoactive yellow proteinに対し昨年度開発した時分割同時測定システムを適応し実験を行った。X線用CCD検出器と可視分光測定用のCCD検出器の同期には、本奨励研究費で購入したパルスジェネレータを用いた。この結果、 ・生理条件下で活性中間体に生じる高次構造変化の観測 ・活性中間体崩壊過程で生じる、構造学的崩壊速度と分光学的崩壊速度の同時測定 に成功した。現在詳細な解析を行っているところであるが、2つの速度の間に違いがあることが示唆された。この違いは、我々が注目している局所構造の変化と高次構造変化の因果関係を示していると考えられる。
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