研究課題/領域番号 |
11780488
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
分子生物学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
関根 靖彦 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助手 (80222074)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1999年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | トランスポゾン / 挿入因子 / トランスポゼース / 転移反応 / 環状分子 / H-NS / IS1 / IS3 / 挿入因子(IS) / 融合体 / recQ |
研究概要 |
1.IS3トランスポゼースによる融合体形成反応の解析:IS3トランスポゼースにより形成される、IS3を運ぶプラスミド(ドナー)と標的プラスミドの融合体の構造解析の結果、融合体はドナーと標的の境界部分を含む領域を欠失していることがわかった。一方、IS3の内部を大きく欠失させたミニIS3を運ぶドナーを用いた場合、生じたすべての融合体は欠失を持たなかった。以上の結果はIS3の内部配列に融合体形成時のDNA複製を阻害する配列が存在することを示唆する。 2.IS3トランスポゼースの精製とそれを用いた転移反応の素過程の解析:IS3トランスポゼースをマルトース結合タンパク質との融合タンパク質の形で精製した。得られたトランスポゼースをIS3を運ぶプラスミドに作用させたところ、ISの一方のDNA端がもう一方の端につなぎ換わる反応がおこった。一方、トランスポゼースを環状IS3を運ぶプラスミドに作用させたところ、IS末端でのDNA鎖の切断が起こることがわかった。以上の結果はIS3の転移反応の素過程がIS3トランスポゼースのみでin vitroで再現できたことを示す。 3.IS1の転移に必須な宿主因子H-NSの解析:(1)ゲルシフト法により、H-NSはIS1の配列に特異的には結合しないことがわかった。(2)H-NSの各ドメインに変異をもつhns遺伝子の存在下でIS1の転移能を調べた結果、IS1の転移にはH-NSのDNA結合ドメインは不要で、ダイマー形成ドメインが必要であることがわかった。これらの結果から、H-NSはIS1のDNAに直接結合するのではなく、恐らくトランスポゼースと相互作用することによってIS1の転移を起こさせると考えられる。
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