研究課題/領域番号 |
11780491
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
分子生物学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
阿保 達彦 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助手 (90303601)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2000年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1999年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 遺伝子発現調節 / 大腸菌 / 転写後調節 / 翻訳 / RNA / リボソーム / trans-translation / 転写 / 転写終結 / ターミネーター / mRNA / RNAポリメラーゼ |
研究概要 |
大腸菌等の細菌細胞内において、終止コドンを持たないmRNAから生産される不完全なポリペプチド鎖には、trans-translationと呼ばれる最近明らかにされた機構により11アミノ酸からなる特異的な「Tag配列」が付加される。Tagの付加したポリペプチド鎖はプロテアーゼによって速やかに分解され、細胞から除去される。trans-translationにはSsrA RNA(tmRNA)と呼ばれる低分子RNAが重要な役割を果たすことが分かっていたが、その具体的な標的はこれまで同定されていなかった。 本研究ではプロテアーゼに耐性を示す変異Tag配列を付加することのできるSsrA-DDを構築し、Tagの付加したポリペプチド鎖を直接検出する型を確立し、それを利用した解析から、大腸菌のlactose repressor(Lacl)がtrans-translationの標的となること、それが「外界のlactoseに対する大腸菌の迅速な応答を保証する」という生理学的意義を持つことを明らかにした。また、LacIに対するtrans-translationは、LacIが自分自身のORFのすぐ近傍に存在するLac operator(O3)に結合することでlacI遺伝子の転写伸長を妨げ、不完全なlacI mRNAをつくり出すことにより起こることを明らかにした。さらにSsrA-DDを利用した解析等から、通常の研究室内環境で生育する大腸菌細胞内でtrans-translationが頻繁に起こっていることも明らかにした。
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