研究課題/領域番号 |
11780571
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経化学・神経薬理学
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研究機関 | 理化学研究所 |
研究代表者 |
福田 光則 理化学研究所, 発生神経生物研究チーム, 研究員 (50311361)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2000年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1999年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | シナプトタグミン / 神経突起伸長 / イノシトールポリリン酸 / 神経伝達物質放出 / シナプス小胞 / リン脂質結合 / エキソサイトーシス / エンドサイトーシス |
研究概要 |
シナプトタグミン1または2はシナプス小胞上に存在する膜タンパク質で、細胞質側に存在する二つのC2ドメイン(C2A,C2B)を介して神経伝達物質放出の際のカルシウムセンサーとして機能するだけでなく、発達中の神経細胞の成長円錐小胞上にも存在し神経突起の伸長にも関与することが明かとなっている。シナプトタグミンはマウスにおいて遺伝子レベルで少なくとも13種類のアイソフォームが存在し(Fukuda et al.(2001)Biochem.J.)、様々な組み合わせのオリゴマーを形成して機能すると考えられている(Fukuda and Mikoshiba(2000)J.Biol.Chem.;J.Biochem.;FEBS Lett.)。本年度はシナプトタグミン1がシナプス小胞のドッキング・フュージョン・リサイクリングの制御だけでなく(Fukuda et al.(2000)Proc.Natl.Aca.Sci.USA)、PC12細胞の突起の伸長(Fukuda and Mikoshiba(2000)Neurosci.Lett.)、さらには損傷した軸索の修復にも関与することを明らかにした(Detrait et al.(2000)J.Neurobiol.;J.Neurosci.Res.)。さらにシナプトタグミン4と呼ばれる4番目のアイソフォームに着目し、特異的抗体を作成することにより以下の知見を明らかにした(Berton et al.(2000)Eur.J.Neurosci.)(1)シナプトタグミン4分子は神経細胞の発達時期にのみ強い発現がみられる。(2)シナプトタグミン1とは異なりシナプス小胞ではなくゴルジ体及び発達中の神経細胞の神経突起先端部に局在する。(3)細胞膜の脱分極刺激によりその蛋白質量が増大し、神経突起の先端方向への小胞輸送が促進されているよう免疫組織像が得られる。以上の結果からシナプトタグミン4分子はシナプトタグミン1分子とは異なる機能を持ち、神経活動依存的に起こると考えられるシナプス(あるいは神経回路網)形成に重要な役割を担うものと考えられた。
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