研究課題/領域番号 |
11780572
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経化学・神経薬理学
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研究機関 | (財)東京都医学研究機構 |
研究代表者 |
高松 芳樹 財団法人東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 主事研究員 (50250204)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2000年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1999年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | CaMキナーゼII / ショウジョウバエ / キノコ体 / 発現解析 / 単クローン抗体 / 脳高次機能 / 学習記憶 / トランスジェニックフライ / Kenyon細胞 / FasII / 記憶学習 |
研究概要 |
ディファレンシャルディスプレイの結果、これまでに7個のバンドについて解析を行ったが、ノザンハイブリダイゼーションの段階で発現に差のある新規遺伝子の同定には至っていない。CaMKII欠失変異体のヘテロ接合体成虫脳のキノコ体では、そのアクソン束であるα、βの各葉が著しく細くなっている。一方、2番染色体へのCaMKII遺伝子導入体ではα、βの各葉の、欠失を含む形態異常が観察された。これらのことは、CaMKIIがキノコ体Kenyon細胞のサバイバル及びアクソンの正常な伸展に関与することを示唆する。キノコ体Kenyon細胞特異的に発現する転写因子MEF2は小脳顆粒細胞の活動依存的なサバイバルに必要であることが哺乳類の系で示されている。MEF2抗体を用いてショウジョウバエMEF2発現細胞核と、核移行シグナル付きlacZレポーター遺伝子でdCaMKII-GAL4発現細胞核を共焦点顕微鏡で比較したところ、両者のシグナルは良く一致した。CaMKシグナル下流でMEF2活性が上がることをOlsonらが示しており、MEF2下流に脳高次機能に関わる標的因子が想定できる。さらにMyb類縁の転写因子Adf-1はCaMKIIに直接リン酸化され、変異体での長期記憶障害も報告されている。今後、これらのCaMKII標的候補転写因子の下流探索についてもdCaMKII-GAL4を用いたRNA干渉(RNAi)法により集中的に進める。一方、今年度は免疫組織化学、ウェスタンプロッティングの双方に利用可能なショウジョウバエCaMKII特異抗体の作製に成功した。ショウジョウバエCaMKIIは学習記憶に必要であることが示されているにも関わらず、基礎データとなるその翻訳産物の脳での発現分布の記述が無い。これを明らかにするため、成虫脳の連続パラフィン切片を作製し、脳全域でのCaMKII分布を明らかにした。
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