研究概要 |
本年、申請者は、Gαq/11の遺伝子欠損マウスにおいて小脳LTDが欠損していることを報告した。このことは、小脳LTDに必須である、代謝型グルタミン酸受容体一型に結合する、3量体G蛋白質Gq/G11がLTD誘導に必須といえる。さらにその下流である、IP3依存性カルシウム放出については、小脳Purkinje細胞の樹状突起スパインでの滑面小胞体のみが欠損しているdilute-lethal(dl)mouseで、小脳LTDが欠如していることを明らかにし、プルキンエ細胞の樹状突起スパイン直下の細胞内カルシウムストアーのLTDに必須であることを報告した(Miyata et al.,Neuron,vol 28、233-244、2000)。現在、研究内容をさらに深めるため、細胞内カルシウムストアーからのカルシウム放出を担う、代謝型グルタミン酸受容体一型の下流領域つまり、Gq/G11蛋白が、代謝型グルタミン酸受容体一型の活性化で、IP3依存性のカルシウム放出を来すのかを、その遺伝子欠損マウスにおいて検討しており、今年中には、論文報告の予定である。
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