研究課題/領域番号 |
11780592
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経・筋肉生理学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
石井 孝広 京都大学, 医学研究科, 助手 (40303812)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1999年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 蝸牛神経核 / 聴覚 / Ihチャネル / キメラ / 活性化速度 / カリウムチャネル / カルシウムチャネル |
研究概要 |
鳥類の蝸牛神経核である角状核と大細胞核は共に第8神経からのシナプスを受けているが、角状核では音の音圧に関する情報を抽出し、大細胞核では時間に関する情報を抽出すると言われている。 この二つの核の機能分化に関与している分子を同定する目的で、cDNAサブトラクション法を行った。具体的には、それぞれの核をスライス標本より切り出し、そのtotalRNAを抽出し、それ鋳型にしてPCR法によってcDNAを増幅し、そのcDNAを用いて、ハイブリダイゼーションとPCRを組み合わせた方法を用いて、サブトラクションを行った。この方法の利点はpolyARNAがとれないような少しの試料より行えることである。そして、それぞれの核に発現しているcDNAを約100個シークエンスを行なったところ、それぞれ複数個同じ分子があり、そのうち2,3種類の分子がそれぞれの核に比較的特異的に存在していた。現在、その分子の全長をクローン化し、その機能解析を行いつつある。 角状核大細胞核両方の核で、電流注入を行って膜電位を過分極の方向に振るとSAGが認められたことからIh電流が存在すると推察される。近年、そのcDNAがクローン化されたので、その一つをプローブとして心臓洞房結節より新たなcDNAクローン(HCN4)を単離した。HCN4は他のサブタイプに比べて極めてゆっくりとした活性化を示し、特にHCN1に比べ約40倍活性化速度が遅かった。HCN1とHCN4のキメラを作製し、活性化速度を変化させる部位を検索し、S6とCNBDとの間のループ領域とS1領域が活性化速度に重要であることを明らかにした。次に、鳥類のIhチャネルはクローン化されていない。現在、鳥類の脳のcDNAライブラリーを作製し、スクリーニングしつつある。鳥類のIhチャネルをクローン化した後、蝸牛神経核における詳しい分布を調べ、その生理学的役割を明らかにする予定である。
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