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変形性関節症膝における潤滑性能劣化のメカニズム-原子間力顕微鏡による生体計測-

研究課題

研究課題/領域番号 11780619
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 医用生体工学・生体材料学
研究機関大阪大学

研究代表者

藤江 裕道  大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助教授 (20199300)

研究期間 (年度) 1999 – 2000
研究課題ステータス 完了 (2000年度)
配分額 *注記
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2000年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1999年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
キーワード変形性関節症 / 潤滑性能 / 膝関節軟骨 / 表面粗さ / 剛性 / 原子間力顕微鏡 / ゲル状物質 / 膝関節 / 軟骨
研究概要

関節軟骨の力学性能計測を生理食塩水中で行うことの可能なシステムを,現有の原子間力顕微鏡に改良を施すことにより完成させた.変形性関節症モデル膝を作成するために,前十字靭帯切離法を家兎の右膝に適応し,ケージ内で12または24週飼育して膝関節を採取した.関節の周囲軟組織を切除して振り子試験を行い,摩擦係数を測定して潤滑性能の指標とした.その後,軟骨の摩擦部分をメスで摘出し,原子間力顕微鏡にて形状を観察した後に表面粗さを求めた.さらに,原子間力顕微鏡で軟骨の押し込み試験を行い,剛性を求めた.
健常膝に比較して変形性関節症膝の摩擦係数は有意に増大し,変形性関節症発症に伴って潤滑機能が低下することが確認された.表向観察の結果,健常軟骨では高さ2μm程度の突起を有するゲル状物質が多く見られたのに対し,変形性関節症膝ではゲル状物質が減少していたことが分かった.また,変形性関節症膝では健常膝に比べて表面粗さが有意に低下し,剛性は有意に増大していた.
健常関節の軟骨表面に多く存在するゲル状物質は,関節液の見かけの粘度を増大させ,関節の潤滑機能を高めていると考えられる.逆に,変形性関節症ではゲル状物質が減少・消失して下層に位置する軟骨表面が部分的に露呈したため,剛性が高まるとともにスクイズ膜による弾性流体潤滑が実現されず,摩擦係数が増大したと考えられる.以上から,変形性関節症における潤滑能の劣化には,軟骨表面のゲル状物質の減少・消失が関与していることが分かった。

報告書

(2件)
  • 2000 実績報告書
  • 1999 実績報告書

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公開日: 1999-04-01   更新日: 2016-04-21  

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